健康新聞 2019年2月号

はじめに

 2月は受験シーズンです。そこで、今回は「受験対策の栄養療法」についてまとめました。また、「レジ横の菓子の誘惑」という興味深い研究結果を掲載しました。

 また、昨年9月からフェイスブックを始めました。認知症、栄養療法についていろいろ発信していますので、ぜひご覧ください。
 https://www.facebook.com/kumamoto.mentalclinic



受験対策の栄養療法

 受験シーズンになりました。今回は、成績アップに関する考察をしたいと思います。
 20歳代前半の女性が来院されました。勤務する会社の営業の仕事がこなせず、通勤しようとすると、動悸、めまい、息苦しさ、吐気などが起こって出勤困難となり、退職されました。その後、実家に帰って休息すると、服薬なしで安定しました。しかし、血液検査では、フェリチン9(20歳代は50以上が必要)、尿素窒素10(20が望ましい)と重度の鉄・蛋白質欠乏でした。本人は良くなったと思い、実家を離れもとの独居生活に戻り就活をしています。でも、今の栄養状態で新たな職場に就職しても、環境変化やストレスによって、再び休職する恐れがあります。やはり、根本的な原因である鉄・蛋白質欠乏を改善する必要があります。
 就活中の本人の代わりにお母さんが本人の栄養状態の説明を聞きに来院されました。そこで、お母さんは、「本人の兄と弟は旧帝大を卒業しています、一方で本人は私立大学に入学し、半年遅れてやっと卒業しました、兄と弟の間に挟まれて心理的にプレッシャーを感じていたと思います」「そう言えば、中学時代は自らの希望で駅伝部に入部しましたが、駅伝部では太らないように厳格な食事制限があり、体力的にはつらかったと思います、そのため、頭痛、めまい、倦怠感、やる気のなさなどのため、勉学にも集中できなかったようです」とおっしゃいました。おそらく、兄と弟は食制限も月経もないため鉄・蛋白質不足はなく、本来の才能を発揮したと思いますが、本人は月経と駅伝部での食事制限のため重度の鉄・蛋白質欠乏になり、体調は芳しくなく、神経伝達物質であるセロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンが不足したため、本来の才能を発揮できず、学業成績が振るわなかったのだろうと思います。もし、本人に中学時代の鉄・蛋白質不足がなければ、兄弟と同様に優秀な大学を卒業して、社会人としておおいに活躍していらっしゃると思います。
 鉄・蛋白質不足ですと本来の学力を発揮できませんので、受験を控えている学生はそれを改善することでワンランク上の学校への入学も期待できます。つまり、カップ麺、菓子パン、スナック菓子、清涼飲料水を飲食している学生さんは、できるだけそれらの摂取を減らして、植物性蛋白よりも必須アミノ酸豊富で吸収率の高い動物性タンパク質である肉、卵、魚を食べることにより成績向上が望めます。速やかな成績アップを望む場合は、さらにプロテイン(蛋白質を補充して胃腸を強くし、消化酵素を増やすためであり、筋肉をつける目的ではありません)とミトコンドリアを活性化するビタミンB、C、Eを摂取することにより、その目的を達成することが期待できます。特に、試験中の昼食に炭水化物を過剰摂取すると、高血糖により脳の働きが低下し眠気を催しますので、小さなおにぎりを昼食の最後に1個食べるぐらいがいいでしょう。



レジ横の菓子の誘惑に注意

 「プロスメディスン」12月18日オンライン版に掲載された研究です。スーパーなどのレジ周辺には、消費者の衝動買いを狙って、クッキー、飴、チョコレートなどの菓子類が陳列されています。
 しかし、こうした陳列をやめれば、健康に良くないとされる菓子類の消費量を大幅に減らせる可能性があることが明らかになりました。米ニューヨーク大学医療センターの管理栄養士であるサマンサ・ヘラー氏は「レジ横の菓子類などの陳列は、消費者の肥満や2型糖尿病、心疾患、がんといった疾患リスクの増大につながる」と述べています。
 肥満の増加が深刻化する英国では、2013年、大手スーパー9社のうち6社がレジ周辺の菓子類の陳列をやめると発表しました。こうした取り組みをスーパーが自主的に講じるのではなく、国として規制すれば国民全体に有益なものになると思います。しかし、そのような規制が全くないわが国では、消費者は甘い菓子を絶対カートに入れないという強い意志を持つしかありません。



編集後記

 昔から節分では豆まきが代表的な行事でしたが、最近は恵方巻きがかなり浸透してきました。ところで、糖尿病で糖質制限して血糖値が安定している人が、恵方巻きを2本食べたら、血糖値が250まで上昇したというブログ報告を以前目にしたことがありました。私は、糖質制限しているので絶対食べませんが。
 一方、昨年、廃棄された大量の恵方巻きの写真がSNSで拡散し、議論を呼びました。行き過ぎた販売競争が大量の 「食品ロス」を生み出しているとして、農水省は1月11日付で、「貴重な食料資源の有効活用」のため、需要に見合った販売をするよう、日本スーパーマーケット協会や日本フランチャイズチェーン協会などに文書で呼びかけました。はたして、今年は「食品ロス」はなくなるのでしょうか?
 さて、今年皆さんは、恵方巻きを食べましたか。


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